2年収をアップしたいと考える下請けITベンダーのエンジニアの方へ
その会社にいる限り無理です。もっと高い給料テーブルをもつ会社に転職しましょう。
いきなり極論を言いました。気分を害された方がいたら、ごめんなさい。
でも、これだけは聞いてください。
SESでプライム企業に派遣されている方、プライムのプロパーは全員あなたよりも能力高いですか?そんな事はないですよね?
でも、プライムのプロパーは全員あなたよりも年収高いですよ。
どうも、陽翔(@engineer_yosho)です。
私は今まで4回転職しているからか、転職の相談は良く受けます。
先日このようなツイートをしました。
年収を上げたいって相談はよく受けます。そして、その会社にいる限り無理だよって単純な結論がすぐにでます。
もっと給料の良いところに #転職 できる実力があるエンジニアでも何だかんだで二の足を踏んでしまうパターンが多い。
勿体ない。
— 陽翔@中退→1000万円プレイヤー (@engineer_yosho) July 27, 2019
エンジニアの年収は以下の2要素で決まります。
- 所属するポジション
- 能力
補足するとこんなイメージです。
- 所属するポジション ⇒ 年収の下限・上限が決まる
- 能力 ⇒ その下限・上限の範囲の中でいくらもらえるか決まる
所属するポジション(≒所属する企業)で、年収レンジは決まってしまいます。そのレンジ以上の年収をもらう事はほぼ不可能です。
つまり、その会社にいる限り年収アップが無理な理由は、あなたが欲しい年収テーブルの設定が存在していないから、です。
また、エンジニアとしてのキャリアは40歳くらいで頭打ちになります。なぜそうなるか、下請けITベンダーのビジネスモデルと絡めてお伝えします。
本記事では、以下の2点についてお伝えします。
- 下請けITベンダーのエンジニアは年収アップが無理な理由
- そのまま下請けITベンダーに居続けた場合のキャリアについて
本記事は下請けITベンダーで年収をアップしたいと考えるエンジニアの方に有用な記事です。
是非、最後までお付き合いください。
さあ、どうぞ。
下請けITベンダーのエンジニアは年収アップが無理な理由
エンジニアが年収をアップさせたければプライムに転職するしかない、です。
繰り返しになりますが、エンジニアの年収は以下の2要素で決まります。
- 所属するポジション
- 能力
そして、先日このようなツイートをしました。
週末に考えてみ下さい。
今の年収に満足できない場合、どうすれば良いのか?今の会社で頑張って年収をあげる?ちょっと待って!!
欲しい年収 > あなたの会社の平均年収
だと、注意です。
欲しい年収 = 平均年収
の企業に入った方が、欲しい年収が貰える可能性が高いですよ。#転職
— 陽翔@中退→1000万円プレイヤー (@engineer_yosho) July 27, 2019
ポジションによる年収格差の現実
わかりやすいように、ある例で説明します。
- あなたが30歳くらいのエンジニアだととします。
- 会社の平均年収が500万だとします。
- あなたの現在の年収が400万だとします。
- これからもめちゃ頑張るつもりで、40歳で700万が欲しいとします。
多分無理です。
きっと700万は課長クラスにならないと貰えない年収です。
これはあなたのエンジニアとしての能力が700万に足りているとか足りないとかの話ではないです。単純に40歳エンジニアに700万という年収のテーブルが無い、という話です。
700万ではななくて平均年収である500万は、普通に頑張れば到達すると思います。
一方、プライムの場合、同じ30歳ならそんなにイケてなくても年収500万は下らないです。年収高いところだと、新卒が450万とかもありますよ。
そして、40歳で700万については平均的なエンジニアでも到達可能ですし、イケてるエンジニアであれば、800万、900万も可能です。
これがポジションによる年収格差です。
年収格差が生まれる理由は【IT業界の歩き方/業界研究】業界のリアルを話すよで詳しく書いているので、是非読んでみてください。
年収をアップするには、頑張る場所を間違えては無理という話
私は今まで1,000人以上のエンジニアと関わってきたと思います。そこで気づいた事です。
下請けベンダーにも優秀なエンジニアはいます。彼ら彼女らはめちゃめちゃ頑張っていますし本当に優秀です。
厳しいプロジェクトにもしっかり向き合い、修羅場を乗り越える事でスキルアップしてきました。その実績でプライム企業やクライアントからも高い評価を得ています。
でも、年収は低めです。
彼ら彼女らが転職でうまくマッチングすれば、年収100万、200万アップのオファーも全然ありえます。私は常々言っているのですが、自分の市場価値はきちんと把握して欲しいのです。こういう事が普通に起こるのがIT業界の特徴です。
しかし、どこかのタイミングでこの点について悩み始めます。
- 30歳越えてリーダーになったのに年収があがらないと気づいた時
- 司や先輩の年収の低さに将来性を見出せないと感じた時
- 子供ができたり、家を買ったりして明確に必要なお金が見えてきた時
まず、この事実を知った上で、その企業でその語も頑張るのかどうかを判断してください。
年収アップが目的なのであれば、頑張る場所を間違えたら無理です。つまり、下請けベンダーではなくてプライムで頑張るべきです。これが本記事の結論です。
もし、その企業に所属する理由が年収以外にあるのであれば、その理由と年収を天秤に掛けて判断してください。
そのまま下請けITベンダーに居続けた場合のキャリアについて
結論は出ましたが、そのまま下請けITベンダーに居続けた場合のキャリアがどうなっていくかについて話しておきます。
下請けITベンダーのビジネスモデル
まず、下請けITベンダーのビジネスモデルの特徴を羅列します。
- 大手SIerが形成する多重下請構造(ピラミッド構造)に属している
- 2次請けの場合は大手SIerから人月単位でSES契約(請負契約の場合もあり)
- 3次請け以下も基本は同じ。上位の会社から人月単位でSES契約
- SIerが受注するプロジェクトへ必要な頭数のエンジニアを調達する事がミッション
- 上位の会社から受注し、中抜きして下位の会社に投げるの数をやらないと儲からない
- SIの多重下請構造は日本のIT業界には必要不可欠なので無くならない
基本はSES契約なので成果物責任は取らないケースが多いです。必要な人月分のエンジニアを調達する事がミッションと成ります。デリバリーの納期や品質をコミットしているプライムとは根本的にビジネスモデルが違います。とにかくエンジニアの調達力でSIビジネスへ貢献します。
調達力を確保する為に、多くの下請けベンダーと相互に協力体制を組んで、お互いに必要な人数のエンジニアを融通し合える仕組みを作っています。あるときは発注側になり、あるときは受注側になります。
そして、別の会社に発注する際に、単価の中抜きをする事で利益を上げていきます。
下請けITベンダーのエンジニアのミッションは、更に下位の下請けITベンダーのエンジニアを使って現場を回す事です。経験を積みより多くの下請けエンジニアを回せるようになる事が会社に求められます。
2次請けのITベンダーの例
- SIer(プライム)より5人をSESで受注
- 単価は一律で90万
- リーダー1名とメンバー4名
このような場合、多分こんな内訳になります。
- リーダー1名は自社のプロパーの5年目くらい
- メンバー1名は自社の1年目か2年目
- 残りのメンバー3名は別会社へ発注(75万)
若手を入れるのは育成目的、別会社への発注は利益目的です。このリーダーは月々45万の利益をもたらしている事になります。
下請けITベンダーでのエンジニアとしてキャリアの終着点
下請けITベンダーのビジネスモデル、ミッションを踏まえてもらったところで、エンジニアとしてのキャリアを話します。
先日このような2つのツイートをしました。
付き合いのある下請けベンダーのエンジニアとはよく飲みに行くし、たまに管理職の人とも飲みに行く。
メンバーがもっとデカいプロジェクトやもっと上流をやりたいって言ったら何が出来るかについては、社内で大きなプロジェクトへの派遣の話が出たら真っ先に回すだそうだ。多分、これがリアルな限界。
— 陽翔@中退→1000万円プレイヤー (@engineer_yosho) July 28, 2019
下請けベンダーの課長職くらいになると、現場エンジニアは卒業して、自分のチームメンバーの仕事探しが自分の仕事となる。
それが下請けベンダーのエンジニアのキャリアの終着地点なんだけど、それになりたくてその会社に入りエンジニアなった人はどれくらいいるのだろうか?#駆け出しエンジニア
— 陽翔@中退→1000万円プレイヤー (@engineer_yosho) July 28, 2019
簡単に言ってしまうと下請けITベンダーのエンジニアのキャリアはこうです。
- 現場のメンバー
↓
- 現場のリーダー
↓
- より多くのメンバーを回せるリーダー
↓
- 現場へ派遣するエンジニアの調達
現場のリーダーとしっても、その会社の取りまとめ役という意味です。プロジェクトとしてのリーダー(プロジェクトリーダー)の役割とは異なります。
重要なので繰り返しますが、必要な人月分のエンジニアを調達する事がミッションと成ります。デリバリーの納期や品質をコミットしているプライムとは根本的にビジネスモデルが違います。
プロジェクトの総責任者であるプロジェクトマネージャーやシステム全体のアーキテクチャを決定するアーキテクト、各チームを推進するプロジェクトリーダーなどの仕事は基本的にはありません。
仮にそのようなスキルを持っていたとしてもオーバースペックで、そのような役割の仕事は存在しないです。現場リーダーがエンジニアとしてのキャリアの終着点となります。
まとめ:【エンジニアの年収格差】その会社にいる限り年収アップが無理な理由
さて、本記事はそろそろ終わりとなります。
簡単におさらいします。
下請けITベンダーのエンジニアは年収アップが無理な理由
下請けITベンダーにあなたが欲しい年収のテーブルが存在しないからで、結論はプライムへ転職しかありません。
エンジニアの年収を決める2要素
- 所属するポジション
- 能力
欲しい年収 > 平均年収の企業
で頑張ってもまず無理で
欲しい年収 = 平均年収の企業
で頑張らないと欲しい年収はもらえない。
そのまま下請けITベンダーにいた場合のキャリアについて
下請けITベンダーのビジネスモデルは、SIerが受注するプロジェクトへ必要な頭数のエンジニアを調達する事。調達力にコミット。更に下請けITベンダーに発注して調達し、単価の中抜きを行って利益を出している。
下請けITベンダーのエンジニアのキャリアは、現場リーダーまで。それ以降はエンジニアを調達するというミッションとなる。
ここまでとなります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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