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【IT業界の歩き方/業界研究】IT業界の構造を理解【社内SE】

おしゃれなオフィスの男女

 

社内SEになりたいと考えるあなたへ

 

社内SEは企業によって全く異なるのでリサーチが生命線です。自社開発してない企業ではスキルは身に付きません。

 

なんか偉そうですみません。これはIT業界に入ったばかりで何も知らなかった20年前の自分に向けてのアドバイスです。これからIT業界に入りたいと思っている人は必読の記事となります。

 

本記事では社内SEを3つに分類して解説します。

  1. 自社開発は全く行わない企業
  2. 一部を自社開発する企業
  3. 全て自社開発未経験の人におススメ】

 

どうも、陽翔@engineer_yosho)です。

大学を3年で中退してITエンジニアになり20数年が経ちました。今は外資系ITベンダーでプロマネをやっていて、年収は1000万円を越える事ができました。

 

しかし、20数年前の当時の私はIT業界の事が良く分からず、教えてくれる人もいなかったので、キャリアアップという意味で遠回りしました。また、大学を中退した事もありそもそもIT業界への入り方も時給900円という底辺から入ってしまいました。

 

もちろん、今はでIT業界がどういうものかよく理解しています。この記事で20年前の私のように何も分からずIT業界で迷子になる人が1人でも減れば良いと思っています。

 

陽翔
本記事のシリーズでは未経験からIT業界を目指すあなたへ、IT業界の構造を解説します。

 

  • 【IT業界の歩き方/業界研究】IT業界の構造を理解
    • SI系
    • Web系
    • 社内SE

 

 

是非、最後までお付き合いください。

さあ、どうぞ

 

 

【IT業界の歩き方/業界研究】IT業界の構造を理解【社内SE】

女性エンジニア

社内SEというのは、非ITを本業とする企業所属するエンジニアの事です。ユーザー系企業のエンジニアと言ったりもします。

 

社内SEの年収

年収はその業界の水準です。製造業界であれば製造業界の、外食業界であれば外食業界の水準になります。

 

エンジニアだからと言ってIT業界と同じ年収になるわけでありません。基本的には年収は低めになると考えてください。

 

国税庁の「平成29年分民間給与実態統計調査結果について」によるとIT業界の平均年収は全給与所得者の平均を大きく上回っています。

 

よって、多くの業界の社内SEは、IT業界のエンジニアよりも年収は低めになります。

 

逆に、金融業界などはIT業界よりも平均年収が高いです。実際、金融業界の社内SEの年収は高めです。

 

全エンジニアの中でもトップクラスの高給取りは、外資系金融機関のエンジニアです。

 

外銀の花形のトレーダーなどは年収数千万の世界です。裏方のエンジニアであっても、1000万、2000万のエンジニアは普通にいます。

お金が目的でエンジニアになるのであれば、学歴や新卒カード、人脈、コネ、何でも良いので、使えるものがあるのであれば使って外銀エンジニアになりましょう。収入的には一発で成功者の部類に入れます。

 

ユーザー系のカルチャー

ちょっとだけ言いたかったのでこの項を設けました。ユーザー系のカルチャーはIT業界のカルチャーとは異なります。

 

それはそうなんでしょうけど、エンジニアとしてユーザー企業にはいると結構な違和感を感じます。どの業界独自のカルチャーがあるんだなって思いました。

 

そしてそれは逆もしかりで、エンジニアが少ないユーザー系にはいるとIT用語なんかを珍しがられます。

 

これくらいはいいのですが、業界によってはIT部門やエンジニアが軽視されている事を感じます。私がいた外食業界はそうでした。外食業界はITが浸透してきたのはごく最近です。PCが使えない人が普通にいます。

IT部門以外の本部部門は店舗あがりの人ばかりなので、パソコンをバチバチやってるだけで楽でいいよね、みたいな事を言う人も普通にいましたよ。

 

頭の片隅において置くと、社内SEになった時に面食らわなくて済みますよ。

 

 

IT業界を構造を理解(社内SE)

男性エンジニア

本記事の本題にはいります。

 

ユーザー系企業は自社開発を全く行っていない企業から、BtoCの自社サービスを全て自社開発している企業までかなり幅が広いので3種類に分類して話を進めて行きます。

 

社内SEとして働く目線で、この3つの違いも解説します。

 

まずは、3分類を見てください。

  1. 自社開発は全く行わない企業
  2. 一部を自社開発する企業
  3. 全て自社開発【未経験の人におススメ】

 

最初に割りと解答を言っちゃいます。

  • 「3.全て自社開発」の企業は、未経験でエンジニアになる人のファーストキャリアとしておススメです。
  • ITベンダーで経験を積んだエンジニアは、基本どのパターンのユーザー系でも重宝されます。条件付きでアリです。

 

重要なのでもう一度言います。

 

社内SEは企業によって全く異なるのでリサーチが生命線です。自社開発してない企業ではスキルは身に付きません。

 

さて、この点も踏まえて、それでもひとつずつ説明していきます。是非、最後まで読んでください。

 

1.自社開発は全く行わない企業

ユーザー企業の7割~8割は自社開発を一切していません。私の感覚になりますが、まぁ合っていると思います。

 

因みにこれは日本国内の話です。欧米はユーザー系で自社開発するケースの方が多くて逆に8割くらいは自社開発と聞きます。このような企業は、基幹システムを含めて全ての開発をSIerに委託しています。

 

自社開発を全く行わないユーザー系企業では、エンジニアとしての開発スキルは身につきません

 

仕事内容はこんな感じです。

日常業務・保守運用

  • 社内のヘルプデスク(PC操作の問い合わせ等)
  • パソコンや周辺機器の各種設定作業
  • エクセル・アクセスでの簡単なプログラム作成
  • トラブル発生時の対応(SIerと連携)
  • サーバルーム入管の手続き
  • プログラムリリースに掛かる各種手続き

プロジェクト

  • ユーザー側のプロジェクト推進
  • SIerのコントロール
  • 関連部署との調整
  • ドキュメントのレビュー
  • 受け入れテスト

 

基本的な日常業務は各部署のPCサポートとシステムの運用保守ですが、プロジェクトが立ち上がると、ユーザー側のプロジェクト推進を担います。

 

プロジェクトのオーナー(予算を出す部署)は、非IT部門のどこかの部署で、システムに対する要件を出します。IT部門はプロジェクト推進という役割で関わります。

 

 

2.一部を自社開発する企業

基本的には「1.自社開発は全く行わない企業」と似ていますが、IT部門にエンジニアを雇い周辺システムの開発を行います。

先ほどに加えてこんな感じです。(青字)

日常業務・保守運用

  • 社内のヘルプデスク(PC操作の問い合わせ等)
  • パソコンや周辺機器の各種設定作業
  • エクセル・アクセスでの簡単なプログラム作成
  • トラブル発生時の対応(SIerと連携)
  • サーバルーム入管の手続き
  • プログラムリリースに掛かる各種手続き

システム開発

  • 小規模の周辺システムの開発・保守

プロジェクト

  • ユーザー側のプロジェクト推進
  • SIerのコントロール
  • 関連部署との調整
  • ドキュメントのレビュー
  • 受け入れテスト

これを行うメリットはコストと機動力ですね。SIerに投げる程でもない規模のシステムを比較的安いコストで雇って、クイックに開発を行うというものです。

 

 

3.全て自社開発

全て自社開発する企業はごくまれです。当然、自社でエンジニアを雇用して開発部隊を持っています。

 

非IT業界の企業がなぜエンジニアを抱えて自社開発するか。今や非IT業界であっても、ITを活用できない企業は衰退して行きますので、ITを使って競合他社の差別化を図る事が目的です。

  • SIerに委託するよりもクイックなシステム開発や改修が可能
  • 業務システム内に蓄積されたデータを駆使して業務効率化をより進めたい

 

元々は非IT業界のビジネスがよりインターネットの活用が進み、インターネット専業となった企業もあります。

 

例えばインターネット証券です。

 

証券業は元々はリアル店舗での業態だったわけですが、インターネットの活用が進みネット専業会社としてWeb上でサービス提供するようになれました。

 

ユーザー系といいつつ、BtoCの自社サービスを提供するのでWeb系の自社サービス企業にちょっと近いです。

 

 

社内SEのキャリアパス

社内SEのキャリアパスを

  • ユーザー系をファーストキャリアとしITベンダーへの転職
  • ITベンダーをファーストキャリアとしてユーザー系への転職

の2つの視点から解説します。

 

ユーザー系をファーストキャリアとしITベンダーへの転職

3つのキャリアパスが考えられます。

  • エンジニア(開発者)としてのキャリア
  • エンジニア(上流工程)としてのキャリア
  • プロジェクトマネージャーとしてのキャリア

 

 

エンジニア(開発者)としてのキャリア

「3.全て自社開発」の企業は、未経験でエンジニアになる人のファーストキャリアとしておススメです。ITベンダーと遜色ない開発経験を積む事が出来ます。しかも、自社開発なのでSESでどこかのプロジェクトに放り込まれる事もなく、スキルアップに集中できると思います。

 

ただし、それ以外の自社開発をしない企業の場合は、エンジニアと言うにはちょっと厳しいレベルです。

やったとしてもエクセルやアクセスでちょっと報告書作成したりとかそんなレベルです。非IT部門から異動してきた人が「できるエクセル」とかをちょっと読んで頑張ればできるレベルのスキルになります。

 

ですので、開発者としてプログラミングスキルを身に付けたい場合は、絶対に避けてください。新卒や未経験で自社開発をしない企業の社内SEになったとしても、エンジニアとしてのキャリアを積んでいく事は難しいです。

 

 

エンジニア(上流工程)としてのキャリア

実は、上流工程を行うエンジニアという意味では大いに道はあります。その業界の業務知識を身に付けて、大手SIerやITコンサルにその業界に特化した上流工程を担当するエンジニアやITコンサルとして転職する道です。

 

 

プロジェクトマネージャーとしてのキャリア

プロジェクトが動き出すと、ユーザー企業側のプロジェクト推進役となりSIerや関連部署の調整などを行います。

規模の大きなユーザー系企業では、大きなプロジェクトがいくつも動く場合、ある程度プロジェクトマネージメントのスキルが身につきます。

小さい企業でプロジェクトで推進するプロマネ能力がない場合、外部のITコンサルをプロマネ支援として(かなり高い単価で)雇い入れるという感じですね。

 

 

金融業界を例に説明します。実際に結構あるパターンです。

  • 銀行へ新卒入行

  • 営業店へ配属
    • 融資業務の実務を経験

  • 本部(システム部)へ配属
    • システム運用保守を経験
    • プロマネを経験

  • 大手SIer/ITコンサルへ転職
    • 銀行業界のプロマネ/コンサルをやる

元銀行員のITコンサルとか、銀行業務知識をもつプロマネとか、そういう売り出し方をすると市場価値は高いですね。

 

私は金融業界が長いので証券や銀行の業務知識には自信ありますが、元証券マン、元銀行員とは比べられたくないです。やっぱり実務経験の有無の差は大きいです。

 

もちろん、プロマネやコンサルタントとしての勉強は必要になりますが、実務経験がある事は相当強いですね。例えばコンサル側として行員と相対するにしても非常に有利です。

 

 

ITベンダーをファーストキャリアとしてユーザー系への転職

ITベンダーで経験を積んだエンジニアは、基本どのパターンのユーザー系でも重宝されます。

 

ちょっと言い方が凄く悪いですが、ITベンダーでは頭角を現せなかった場合でも、元ITベンダーのいわばプロ。それなりには活躍できる可能性が高いです。

 

ITベンダーのエンジニアやプロマネがユーザー系企業に転職するパターンの例です。

  • ITベンダーへ新卒入社

  • エンジニア
    • 実際の開発を経験

  • プロマネ
    • ベンダー側のプロマネを経験

  • 金融機関のIT部門へ転職
    • ユーザー側のプロマネとしてベンダーをコントロール

 

このパターンの転職をする人は、この3つが理由です。

  • IT業界の長時間労働に疲弊したから
  • SIer側で”お客様”対応に疲弊したから
  • 他社のシステムではなく自社のシステムを開発したくなったから

 

なんだかんだ言ってもIT業界は仕事ハードだし、SIでベンダー側にい続けると”お客様”対応で疲弊して嫌になる人も大勢います。

 

そういうエンジニアやプロマネが報酬は下がってもいいからという事で、社内SEに転職するパターンは多いですね。

 

別の理由だと、ずっとSIerでやってきたけど、自社のシステムを開発したくなったという人もいました。SIerって結局、クライアントの企業のシステムを開発しているので、プロジェクトが終わればまた別のクライアントの仕事をするわけですから。

 

ユーザー系では自分達が利用するシステムを開発・運用し、カスタマイズしながらシステムを育てて行くが感覚はあります。そして、利用部門でどのように使われ、どれ程助かっているとか、業務がどれ程効率化できたとか、って話を直に聞くことができるので、何か愛着がわいたりします。

 

個人的にこのパターンのキャリアパスはありだと思いますが、その先引退までのキャリアをどうするかですね。

 

ただし、報酬は下がる事を織り込んだ上で判断が必要です。

また、自社開発を行わない企業の場合、開発のスキルは良くて横ばいです。

 

その企業に骨を埋めても良いと思えるなら、アリだと思います。つまり条件つき。

 

でも、エンジニアとして燻る何かがあるのであれば、またどこかでITベンダー側に戻ればいいんです。

 

ITベンダー ⇒ 社内SE ⇒ ITベンダーと転職しているケースも全然珍しくはないですから。その際には、社内SEでしか得られない経験を武器にして、ITベンダーへまた凱旋帰国すればいいんです。

 

 

【IT業界の歩き方/業界研究】IT業界の構造を理解【社内SE】はこれで終わりとなります。

 

最後までお付き合い頂きありがとうございました。

 

 

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