どうも、陽翔(@engineer_yosho)です。
最近、よく転職の相談を受けるのですが、ちょっと考えさせられる事があったので記事にしてみました。
今の会社ではこれ以上のキャリアアップは難しい。でも「今まで会社に育ててもらったから」という理由で転職はしたくない、と言うのです。
このようなツイートもしています。
転職を悪と考える理由のひとつ
「今まで会社に育ててもらったから」
分からなくは無いのだけど、この考えに縛られるとキャリアを棒に振りますよ。
あなたの視点からはそう見えるかもですが、会社や上司からの視点では全然違う見え方で正直かなりショックです。
— 陽翔@エンジニアになって人生逆転 (@engineer_yosho) October 20, 2019
転職を悪と考える理由のひとつ
「今まで会社に育ててもらったから」
分からなくは無いのだけど、この考えに縛られるとキャリアを棒に振りますよ。
あなたの視点からはそう見えるかもですが、会社や上司からの視点では全然違う見え方で正直かなりショックです。
本記事では転職しない理由が『今まで会社に育ててもらったから』について私が思う事をお伝え致します。
本記事の内容
初めて本ブログに来ていただいた方に向けて簡単に自己紹介をいたします。
この記事を書いている私は陽翔(@engineer_yosho)と申します。
社会人歴は20数年で、現在は外資系ITベンダーに所属するITエンジニアです。
20数年の中で同僚・部下・上司が転職でいなくなるという事は何回も経験しています。そして私自体も4回の転職経験があります。
今まで会社に育ててもらったのに、独り立ちできたら転職してオサラバというのが「悪」、という考え方も分からなくはないです。
だた、その考え方に縛られるとあなたのキャリアや人生を棒に振るリスクがあります。
本記事を読むメリット
読んだ結果、あなたがどう考えるかは分かりません。ただ、いずれにしろ下記のとおりで読まない理由がありません。
- 本記事を読んでも考え方が変わらないのであれば、あなたの考えには何かしら芯があるものと再確認できます。
- 一方、本記事を読んだ結果、私が言うようにリスクが高いと思うのであれば、考え方を変えるきっかけになります。
是非、最後までお付き合いください。
転職しない理由が『今まで会社に育ててもらったから』について思う事
私は会社と従業員はWin-Winの関係であるべきだというスタンスです。
冒頭でお伝えしたケースでは「今の会社ではこれ以上のキャリアアップは難しい」と感じているのです。でも転職=悪と感じるので転職はしたくない。
これは健全な状態ではないですよ。会社だけがWinの状態というのは、会社に搾取されている状態です。
会社や上司の視点からはどう見えてるかをお話します。
- 教育コストをあなたが気にする必要はまったく無い
- 上司や先輩社員に恩義を感じ過ぎてはいけない
- 上司や先輩社員があなたを引き止めるのは自分都合である
- 上司や先輩社員だっていつ転職するか分からない
- 今の会社でキャリアアップもできるのが一番良いのは分かるけど現実を見よう
- 何があっても一生勤め上げるつもりで選んだか?
もし、「会社に育ててもらったから」転職=悪と考え、転職したくてもしてこなかった方には、少しショッキングかもしれません。
しかし、事実なのではっきりと言い切ります。
教育コストをあなたが気にする必要はまったく無い
会社は新卒採用するにあたり、全員が残り会社に貢献するなどとは考えていません。
あなたが転職しようが残ろうが、一定数は辞めてしまいます。そういうものです。
そして新卒にコストが掛かる事は当たり前です。更に一定の割合でコストが回収できない事も織り込み済みです。
それでも会社側には新卒を取るメリットがあるから、会社の戦略の1つとして採用をしているんです。
今まで会社がコストを掛けて育ててくれたから、転職しないというのは、あなたの視点からすると分からなくも無いです。
でも、会社からすればどっちでも良いんですよ。
混同しがちですが、早く独り立ちできるように努力しよう!という意味で会社はコストを掛けていると考えるのは絶対的に正しいです。それはあなたの成長の為でもあるからです。
だからとって、転職=悪と考える事とは、全然別な話です。
上司や先輩社員に恩義を感じ過ぎてはいけない
ポイントは「過ぎてはいけない」のところです。
新人時代にお世話になった上司や先輩に恩義を感じるという事はよくあると思いますし、個人的に関係を続けたいと思える人に出会えたとすればその出会いは大切にしてください。

しかし、現実を言います。
彼ら彼女らは善意であなたを育てているのではなくて仕事でやっているんです。上司や先輩の立場になれば分かりますよ。
あなたが育つ事で会社から評価されています。つまり、あなたのためでもありますが自分の評価のためでもあるので恩義を感じ過ぎる必要はないです。
上司や先輩社員があなたを引き止めるのは自分都合である
上司や先輩社員に転職を相談したとして、引き止められたらなんか悪い気はしないですよね?
しかし、彼ら彼女らはあなたに転職して欲しくないと思っていますが、それはあなたのためではなくて自分のためです。残念ながら。
例えばあなたに有能な部下がいたとします。そして、その部下は今の会社ではやりたい事ができないから転職したいと言ったとします。
取りあえず引き留めますよね?
それはその部下の事を思ってでしょうか。たぶん違います。
上司という立場上、いろいろと理由をつけて留まらせようとするはずです。もしかしたら個人的には転職した方がいいと思ったとしても、です。
あなたが部下思いの上司であれば、部下の希望に合うような案件が無いか探したりするかもしれません。でも現実はそんな都合よくは出てこないでしょうね。
それでも来期に何か大きな仕事が取れる可能性とか、部下が希望してそうなプロジェクトに空きが出るかもしれないとか、そういう事を考える上司は比較的いい上司です。
でも、何かを保障する事は出来ないはずです。来期の話は立ち消えるかもしれません。もしくはその仕事は取れたとして、その先も希望する仕事をずっと提供し続ける事ができますかね?
でも、あなたは来期の可能性や、他のプロジェクトの可能性の話を出して、引き留めてしまうはずです。
それは完全に会社の都合であり上司の都合です。

でもちょっと感情的には残ってみようかなと思ってしまうかもしれません。
でも、あなたは自分のキャリアを真剣に考えるのはあなたしかいないんですよ。
今の会社で可能性に掛けるよりも、確実にそれができる企業に転職する方が良いのではないですかね?
注意ポイント
因みに、上司や先輩社員に転職の相談をするのは絶対にNGですよ。転職活動でこれやると失敗するよ【後悔しない為の絶対禁止3点】で説明しています。
上司や先輩社員だっていつ転職するか分からない
ここ最近は日系企業でも転職がわりと一般的になってきました。
私がいるIT業界は比較的転職が活発な業界という事もありますが、優秀な人ほど転職で新天地にチャレンジしていきますね。
- 上司が転職でいなくなる
- 先輩社員が転職でいなくなる
- 同僚が転職でいなくなる
ちょっと言い方悪いのですが、あなたが勝手に恩義を感じていて、転職せずに留まっていたのに、その上司や先輩社員が転職でいなくなるって事が起こりますよ。

鈍器で殴られたような衝撃ですよね。
そして、直接的には何も恩義がない新しい上司が来て、それでも「今まで育ててくれたら」という理由で転職はできない、という考え方は成立しますでしょうか?
今の会社でキャリアアップもできるのが一番良いのは分かるけど現実を見よう
私の冒頭の相談のケースで、どっちが大切なのかは本当は分かっているよね?と言いました。
- キャリアアップするために転職する
- 今まで育ててくれたから、キャリアアップはできないけど転職はしない
「今の会社でキャリアアップも出来るような仕事が出来るのが一番良い」という回答でした。

言うと思っていましたが。
それが出来るなら悩んでないでしょ。
そもそも相談に来ないでしょうよ。
希望的観測をしたくなる気持ちは分かりますよ。もしかしたら、上司に希望を持たせるような事を聞いたかも知れません。
でもそれは、前述のとおりですよ。そんな都合よくはいきません。
さて、どちらかを選ばなくてはいけないんです。
- キャリアアップするために転職する
- 今まで育ててくれたから、キャリアアップはできないけど転職はしない
今まで育ててくれたら、キャリアアップはできないでけど転職しない、を選ぶのは本当に正しいでしょうか?
何があっても一生勤め上げるつもりで選んだか?
今まで育ててくれたから、一生勤め上げるのでしょうか?
独り立ちするまで例えば1年掛かったとします。その1年の為にその後40年以上の社会人人生への縛りを入れてしまうのでしょうか?
そもそも、今の会社ってそこまでの覚悟で選択して入社したんですかね?
きっと、違いますよね?
何10社とエントリーして、内定をもらえた会社の中で一番条件の良い会社に入りましたよね?
年功序列・終身雇用が保証されていた昭和~平成時代は、一生勤め上げるという考えはある程度成立したかもしれません。
あなたの上司や先輩社員は平成を生きてきた人ですよ。
しかし、これからの令和時代は違います。これからの時代を生きるあなたは昭和・平成の考え方に振り回されては駄目ですよ。
これからの時代は終身雇用を前提としたキャリア設計から脱却して、「転職を前提としたキャリア設計」にシフトしなければ行けません。
まとめ:転職しない理由が『今まで会社に育ててもらったから』について思う事
本記事はそろそろ終わりとなります。
繰り返しになりますが、大切な事なので最後ももう一度伝えます。
私は会社と従業員はWin-Winの関係であるべきだというスタンスです。
冒頭でお伝えしてたケースでは「今の会社ではこれ以上のキャリアアップは難しい」と感じているのです。でも転職=悪と感じるので転職はしたくない。
これは健全な状態ではないですよ。会社だけがWinの状態というのは、会社に搾取されている状態です。
あなたが、会社や上司に恩義を感じて転職をしないのは勝手ですが、会社や上司の視点での見え方を知っても同じ事が言えるでしょうか。
- 教育コストをあなたが気にする必要はまったく無い
⇒経営計画の一環で新卒採用している。コストが掛かる事は折込済みで、あなたが転職しようが残ろうが極論どちらもで良い。
- 上司や先輩社員に恩義を感じ過ぎてはいけない
⇒上司や先輩は善意ではなくて仕事であなたを育てている。恩師といえる人との出会いは大切だが、誰にでも恩義を感じすぎてはいけない。
- 上司や先輩社員があなたを引き止めるのは自分都合である
⇒引き留めるのは完全に会社・上司都合である。あなたの為に仕事のアサインを頑張ってくれるかもしれないが、それには保障なんて無い。あなたからしたら確実キャリアアップできる企業に転職できる方がどう考えても良い。
- 上司や先輩社員だっていつ転職するか分からない
⇒上司や先輩社員だって転職していなくなりますよ。直接的には何も恩義がない新しい上司が来て、それでも「今まで育ててくれたら」という理由で転職はできない、という考え方は成立しますでしょうか?
- 今の会社でキャリアアップもできるのが一番良いのは分かるけど現実を見よう
⇒どっちも取れればそれがいいに決まっていますが、それが出来ないから悩んでるんですよね。現実をみましょう。何が一番大切かを見失ってはいけません。
- 何があっても一生勤め上げるつもりで選んだか?
⇒そもそも話です。そこまでのつもりで選んでないと思います。そして、昭和・平成時代であれば、一生勤め上げるは終身雇用・年功序列のもとある程度は保証されていたかもしれませんが、令和の時代は間違いなく違います。
完全に時代は変わっているんですが、長らく続いた日本の終身雇用・年功序列の心理的な影響は根強い気がします。
しかし、会社はもう保障してくれません。
あなたがいくら会社に尽くしたところで、これからの時代は解雇される事もあります。実際に起こり始めています。
そして、あなたが勝手に恩義を感じている上司や先輩社員があなたをずっと守ってくれるわけもありません。
もし、新人時代に育ててやったのだから転職なんてあり得ない、という事を会社や上司が言っているのであれば、その会社はブラック企業なのではないですかね?
だって、会社は何も保障してくれないんですよ?
冒頭で
その考え方に縛られるとあなたのキャリアや人生を棒に振るリスクがあります。
と言った理由が伝わったでしょうか。
本記事を読んだ結果、どちらにせよ価値はあったのではないでしょうか?
- 本記事を読んでも考え方が変わらないのであれば、あなたの考えには何かしら芯があるものと再確認できます。
- 一方、本記事を読んだ結果、私が言うようにリスクが高いと思うのであれば、考え方を変えるきっかけになります。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。